Thorというブランドの個人製作家様のD Styleギターです。
以下製作者様のコメントをお借りしてこのギターの説明をします。

一般的には鳴らない、あるいは鳴りにくいとされているオール合板ギターの限界に挑戦するべく、試験的に製作した作品です。
通常「鳴りにくい」とされがちな合板ギターですが、そのように言われる理由も含め、個人的には随分昔から疑問を感じていました。
そこで本作品では、トップとサイド/バックを合板で製作し、それ以外については、オール単板のギターを作る時と同じ、普段通りの工法や材質を採用し製作する事で、合板を限界まで振動させられるように製作してみました。
トップブレーシングはスキャロップドXブレーシングをベースに、フィンガーブレース（X両端の短いブレース）を通常2対の所を1対に削減し、タングーブレース（ブロック直近の薄い板状のブレース）もオミットする事で軽量化して振動を効率化させ、トップの面全体で振動できるようにしています。
逆にバックブレースはやや強めに作ることで、トップからの空気振動を効率よく跳ね返す事ができるよう工夫しました。
ネックジョイントはデタッチャブルとし、整備性も向上させています。
結果として、主観ではありますが、やや重ためではあるものの切れのある、ラウドでドレッドノートらしい音に仕上げる事に成功しました。
元々検証目的で製作した試作機で、既に一定の使用感等がありますが、一般的には「鳴らない」と言われがちな合板ギターのイメージを文字通り”壊す”、挑戦的な作品となっています。

【仕様】
Style：D
Top：スプルース合板
Side&Back：マホガニー合板
Braces：シトカスプルース
Neck：2Pカヤ（アフリカンマホガニー）
Neck Joint：ボルトオン（デタッチャブル）
Joint bolt：ステンレス
Fingerboard：イーストインディアンローズウッド
Bridge：イーストインディアンローズウッド
Peghead Overlay Veneer：イーストインディアンローズウッド
Nut：TUSQ
Sadle：牛骨（無漂白）
Sadle style：Normal（3.175mm）
Bridge Pin：水牛角
Scale Lengh：25.4インチ
Nut Width：43.5mm
String Width at Bridge：2-1/4インチ
Truss Rods：2WAY
Pick Guard：SCUD F-PGBK
Peg：GOTOH 301Chrome
Main Glue：フランクリン タイトボンドオリジナル
Finish：フレンチポリッシュ

以上です。
実際試演奏してみてオール単板のギターとは鳴り方は全く違うと感じました。
しかし鳴らないのではなく「別の鳴り方をする」という感触が正解かと思います。
マホガニーのギターとローズウッドのギターが違うように1つのキャラクターとして成立すると思いました。
とは言いましても上記スペックで製作する以上オール単板ギターとコストは変わりませんから、やはりマニア以外はオール単板ギターを買うと思います。
なので一般メーカーのモデルラインナップに並ぶのは非現実的だと思います。
こうした個人製作者の創意工夫によってのみ生み出される興味深いギターです。
一通りプリウォービンテージギターや超激レアなギターまで手に入れてきた方こそ未知なるギターとしていかがでしょうか。

スタートですのでノークレームノーリターン厳守にてご検討宜しくお願いします。